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60GHz伝送とは、ミリ波を使用した伝送技術の事です。
共同受信では、地デジ、BS・CSなどの受信した電波を、屋上などから60GHz帯の電波で再送信し、ベランダなどで個人受信するシステムです。
道路、河川、鉄道、建造物など横断出来ない箇所、小さな山や樹木、ビル陰など規模の小さな場所で、地デジ障害対策の応用が期待されています。
弊社は、シャープ株式会社様、DXアンテナ株式会社様と研究開発に協力しました。
こちらの写真は、屋上の送信アンテナから各部屋のベランダに設置されている受信アンテナを写したものです。
建築後年数が経過した古いマンションでは、UHFの電波も通りにくい建物があります。
同軸ケーブルの交換ができない場合、外配線で新規に工事をする方法がありますが、住民の方々から外配線では美観を損ねるとの意見が多く出たため、ミリ波を利用した無線共聴システムを導入しました。
~埼玉県所沢 スカイマンションB棟~
60GHz伝送システム導入の経緯
放送のデジタル時代になり、地上デジタル放送、BS・110度CSデジタル放送をどのように各戸へ配信するかを管理組合法人は、2007年3月31日、委員会を設置し検討を開始しました。
スカイマンションB棟は、1973(昭和48)年に建築された戸数158戸の14階建てマンションで、アナログのテレビ放送は、VHF、UHFおよびBSともVHF帯で伝送しており、マンション内のテレビ同軸ケーブルでは、BS・CS帯まで伝送できないことが分かりました。
改修にあたって、テレビ同軸ケーブルでの外配線は美観上望ましくないこと、ケーブルテレビ加入に比べて自己完結型のシステムがランニングコストの点から優位であることなどを考慮した結果、新しく開発された免許のいらない60GHz送受信機を活用したデジタル放送、伝送システムを構築することに決定しました。
その後、約2年にわたり弊社で行った実験結果をもとに、メーカーによる送受信機の性能向上、取り付け金具の改良を経て、2009年12月12日竣工を迎えました。
システム
屋上に設置した送信アンテナからデジタル信号を発射し、各住戸のベランダに設置された受信アンテナで受信し屋内へ信号を伝送します。
送信機に入力する信号レベルが広帯域のため、通常増幅器のレベルとは異なり、過大入力をすると歪みが生じます。
複数の送信機の入力バランスを取るためには、特別な工夫が必要です。
送信アンテナのビーム方向を合わせるために、クリチカルな調整を必要とします。尚、受信アンテナについては60GHzの半値幅が狭いため、事前に取り付け位置の設計が必要です。
送信側スペクトラム(送信機入力信号) | ||
---|---|---|
全帯域 | 地上デジタル帯域 | BS・CS帯域 |
受信側スペクトラム(1階での受信信号) | ||
---|---|---|
全帯域 | 地上デジタル帯域 | BS・CS帯域 |
あとがき
スカイマンションへの60GHz伝送システムの導入工事にあたっては、未知の部分もあり、解決に2年間の試験調査期間要したと同時にノウハウを得ました、シャープ株式会社電子部品事業部の方々に技術指導を頂きました。ここに、感謝致します。
2010年3月16日
総務省・デジサポ・放送局 約20名の方々が視察にいらっしゃいました。
弊社の設置した新しいシステムをご覧頂きました。
長距離伝送 約300m間を水平に飛ばします。
例えば山かげなどの電波障害地域で、地デジ電波を山の上から民家まで飛ばします、送信側は太陽電池パネルを用い半永久的な充電が可能です、雨など気象状況の変化で充電ができない場合を想定してバッテリー容量を考慮しました。
地デジの普及活動を目的とし、60GHzシステムによる難視対策に活用したいと考えています。
大規模な改修工事をする事なく、地上デジタル/衛星放送の視聴が可能となるシステムです。
・システム概要
屋上にミリ波送信機、各戸のベランダにミリ波受信機を設置する事により、ワイヤレスで地上デジタル放送と衛星放送を伝送する事が出来ます。
◆大規模改修縦系列の配線・配管作業が不要となり、
改修費用の削減と工期の短縮が見込めます。
◆最新の無線技術を利用した共同受信システムの採用により、
地上デジタル放送、BS・CSデジタル放送まで拡張導入でき、付帯設備の充実により、
入居率の向上に繋がります。
◆上記無線システムの採用により、ビル・マンションに損傷を与えずかつ、
美観・景観に影響を与える事なく、資産価値を高めます。