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地デジの受信環境も整い綺麗な電波で楽しんでいる方がほとんどと思っていましたが、最近、今まで予想もしなかった新たな受信障害が浮上してきました。
個別アンテナ受信で電気店や専門業者様などより、“受信レベルがあるにも関わらず映らない、映りにくい” という苦情で、何回訪問しても解決しないという相談が、当社に寄せられています。
当社で調査したところ、ケーブルテレビの電波が宅内配線不備などで空中に漏れていると考えられ(この漏れ電波を漏洩電波という)、新たな受信障害の原因として広い地域で確認されました。
そこで以前から揃えてきた最新の各種デジタル測定器に加え、新たな障害に対応する「エリアチェッカー」を導入し、今回、見事原因をつきとめることができました。
この測定器は、GPSと地デジ電波の受信C/Nとを測定車の走行に合わせて自動で記録するものです。
これにより、今まで原因の特定が困難であったケーブルテレビからの漏洩電波を、地図上で探査することが可能になりました。
この測定器は、前述のとおりGPSと組み合わせて走行しながら地図上に強く漏れている場所を色分けして表示します。
測定車で走りますので相当広範囲にデータを取得することが可能です。測定結果から漏れの多い道路(箇所)が地図上に表示されますので、見当を付けて “デジタル信号アナライザー” の出番になります。
大まかな場所が特定できたら、図.2のように測定車に受信アンテナを付けて、デジタル信号アナライザーで「遅延プロファイル(エコー)」を見ながら、方向を詰めていきます。
ケーブルテレビなどのように、長区間のケーブルが引き回されている場合には、遅延時間も長くなります。
特に、注意が必要なのは、ガードインターバル(126µs)を越えた、いわゆる長遅延といわれる遅延波です。今回の場合は、約300µsの遅延でした(図.3)。
この位の長遅延になると、LF990等の場合は希望波の左側に観測され、前遅延と誤認されますので、注意が必要です。
ETH(図.3)等で測定すれば、2ms位まで遅延を測定することができます。