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マンション等の「BSパラボラアンテナ」の選定

 マンション等では、費用の点で小型のパラボラアンテナをご提案されることも多いようですが、近年の異常気象(ゲリラ豪雨など)で映らなくなるケースが増えております。これを踏まえ弊社では、降雨減衰を考慮したパラボラアンテナ口径90cm~100cm以上をお勧めしています。

BSアンテナの大きさ(口径)

 BSの電波は地上波と異なり、赤道上空の高度約36,000km、日本から見ると約38,000kmの遠方から送られてきますので、非常に微弱な電波を受信するためパラボラ型のアンテナを使用します。パラボラアンテナは、口径が大きいほど感度が高く、多くの電波を取り入れることができます。

パラボラアンテナの大きさは感度だけではありません

 BSの電波は伝搬距離(38,000km)による減衰と、衛星と受信点との間に発生する雨粒による散乱や吸収が雑音となり、信号の質(CN比)を劣化させます。

「CN比」は、BSデジタル放送の規格で晴天時19dB(デシベル)以上が必要となります。

雨による電波の減衰をどの程度見込むか

 雨による減衰を「降雨減衰」といいます。降雨減衰の程度は地域により異なります。
“東京” では、過去のデータから年間の最悪月の一か月間に発生する減衰量を統計的に処理した “1%値” と “0.1%値” を使用します。このため、降雨減衰は最小:1.9dB、最大:8.7dBを見込んでアンテナを選択します。
○「1%値=7.2時間/月」(7.2時間=30日×24時間×1%)→1.9dB
○「0.1%値=43分/月」(43分=30日×24時間×60分×0.1%)→8.7dB

パラボラアンテナの選択

CN比を良くするためには、次の事が大切です。

アンテナの感度(大きな口径にする)を高くする。
降雨減衰を考慮して、あらかじめ大きなCN比が得られるアンテナを選定する。
  1.  マンション等では多様な居住者の方々が、例えば、ブルーレイレコーダーなどで映画やドラマを留守録する、データ放送の気象情報で仕事の段取りを決める等、様々な形で利用されています。 このため、降雨減衰による受信の中断が極力少ないことが求められます。(民間放送は、ほとんど再放送がありません。)
     従って、必要なCN比の19dBに、最悪値の降雨減衰8.7dBを加えて27.7dB以上を確保するために、口径90cm~100cmのアンテナを使用するのが理想的です。 (弊社では、口径の大きいパラボラアンテナを屋上に設置する時は、風圧等の影響を考慮し安全対策のため支線等をとる事もあります。)
  2.  マンション等では多数の居室に信号を分配するために、増幅器(ブースター)を使用します。例えば、50戸に分配すると一戸当たりの電波の強さは1/50になってしまいます。 これを元の電波の強さ(壁面端子出力57dBµV)に戻す必要があります。
     増幅器は電波を増幅しますが、一方で増幅器はトランジスタなどの部品で作られているため内部で雑音を発生します。 この雑音はCN比を劣化させますので、この劣化分を見込んでパラボラアンテナの口径を一回り大きく選定する必要があります。
  3.  高層ビルなどでは一か所から各棟に配信している(カスケード段数が多い)ため、多段増幅することによって、各増幅器の定格レベルが出せなくなる場合もあります。 このためパラボラアンテナの径を大きくし(120cm)CN比を上げるなどの工夫が必要なこともあります。(弊社では、分散化や光ケーブル化も考え、ご提案しております。)
  4.  一般家庭では、テレビ2~3台に分配する場合の損失を考慮し、必要なCN比19dBに降雨減衰1.9dBを加えて約21dB以上を確保するような45cm級のアンテナが一般的に使用されています。

【参考】パラボラアンテナ口径別表

以下の表は、市販のBSデジタル放送用アンテナを口径別に整理したものです。


アンテナ
口径
〔cm〕

アンテナ
C/N〔dB〕
(1)
東京における最悪月減衰量(減衰時間合計 1%=7.2時間、0.1%=43分)
(2)
最悪月に1%発生
する減衰〔dB〕
(3)
受信C/N
〔dB〕
(4)
良否
(5)
最悪月に0.1%発生
する減衰〔dB〕
(6)
受信C/N
〔dB〕
(7)
良否
(8)
45 23 -1.9 21.1 OK -8.7 14.3 NG
50 24 22.1 OK 15.3 NG
60 24.2 22.3 OK 15.5 NG
75 26.7 24.8 OK 18.0 NG
90 27.9 26.0 OK 19.2 OK
100 30 28.1 OK 21.3 OK
120 31.5 29.6 OK 22.8 OK
(表の説明)
  • 「アンテナC/N(1)」は、パラボラアンテナ単体の性能(C/N)
  • 「東京における最悪月減衰量(2)」の左側は、「最悪月に1%発生する減衰(3)」
    「受信C/N(4)」「良否(5)」
    全て、C/N=19dBをクリアしています。
  • 「東京における最悪月減衰量(2)」の右側は、「最悪月に0.1%発生する減衰(6)」
    「受信C/N(7)」「良否(8)」
    45cm~75cmではC/N=19dBを割り込んでいますので、降雨減衰を考慮すると
    不適切なアンテナ(赤字)となります。

BSの降雨減衰モード
 NHK BS1とNHK BSプレミアムは、降雨減衰モードがあります。(民放局はこのモードはありません。) 雨天などで受信が困難な場合、一時的に画像・音声の質を下げて、通常の放送を常時受信できるようにする機能です。ワンセグのような映り方ですが一定のレベル以下になると映らなくなります。

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