FAQ 地デジが映らない
当社で体験した地デジ障害事例のFAQ集です。
地デジの受信改善の参考としてご覧ください。
内容によって高度な技術と測定器を必要とします。
※ 事例は専門的です、ご了承ください。
当社で使用している調査測定用機器(自社保有品)
電波環境による障害
- 個別アンテナでの受信が困難な場合は、CATVのサービスエリア内であれば加入する、光通信によるサービスを受ける、その他のサービスを利用する。
- 地デジの電波はUHF帯を使用しているので、樹木などでの減衰が大きい。
- 樹木を避け、中継局からの電波を見通せる安定した場所にアンテナを移す。
- 受信レベルの高い場所を探す。
- ローノイズブースター(NF1.5dB以下)を取り付ける。
- 電波停波時は初期スキャンをしないことが重要。(スキャンしてもチャンネルを取り込む事ができません。)
- このようなときは、故障復旧後、初期スキャンを実施する。
- 反射電波を受信している、反射物体の反射率の変化など。
- 受信電波が安定する場所を探す。
- スペクトラム波形、遅延プロファイル波形など電波の質に関するデータや、データロガー記録を見て受信方法を判断する。
- スペクトラム波形で近距離ゴースト時は、波形が平坦になるようにアンテナ移設などを行う。
- 出来る限り尖った地形を選ぶ。(コニーデ形は回折波が弱い)
- 電波の流れを探す。(高さ・場所など)
- 指向性の良いアンテナの利用。(データロガー、ETHなどで調査する)
- 光、ケーブルテレビへの加入を検討する。
- 電波的に開けている山の頂上などに受信点を設ける。ただし、同軸ケーブルで電波が届きブースター電源が動作する数百メートルの範囲内にすること。
- 受信レベルが低すぎる場合は、CN比も悪く、この電波を増幅してもレベルは上昇するがCN比は改善されない。(ARIB規格は34dBµ以上必要ですが、極端に入力レベルが低い時はノイズ増幅器になる事があるので要注意)
- 受信レベルの高い場所を探す。
- アンテナ直下にNFの低いアンプを挿入し、NFを少しでも改善する。
受信設備による障害
- 初期スキャンの必要事項等を入力し実施する。
- 地デジ受信機は、受信に必要な情報をあらかじめ電波から取り込まないと受信できない。(初期スキャンという)
- 古いマンションなどの中には真空管式の増幅器もあった。真空管のエミ減(消耗)により増幅度が低下する。
- アナログ時代のVHF電波では映っていたが、UHF電波では電波の減衰が大きいため、受信機まで電波が届かないことがある。
- S-5C-FBなどに交換、または高出力増幅器に変更する。
- テレビの初期時代より使用されている同軸ケーブルで、規格に合わない粗悪なケーブルが出回ったり、石油ショック時期の不適切な製品もある。
- 当社27年以上の同軸ケーブル特性伝送試験、約3000例の結果によると いくつかのランクに分けられます。
- 老朽化は外見的には判りません
1内部導体の編組の錆によるインピーダンスの変化。
- 2充実ポリエチレンの変化(変色)、中心芯線がずれている。
- 3屋根上など直射日光が当たる場所では紫外線の影響などで劣化。
(黒以外の色ものは経年変化が激しい)
- 4施工上の問題が多い、ケーブルの曲げ・ステップル打ち込み、破損。
- アンテナポールの最上部が受信電波の最良点とは言えない、低い所で良い所もある。
- 地デジ(UHF帯を使用)の波長は約40~60cmに山と谷(ハイトパターン)ができる。
- アンテナ建てのポイント
マストにアンテナを取り付け、上げ下げし最良点を探す(下げて良いこともある)、左右方向も同じ。レベルだけで建設してもダメな事がある。
- アンテナレベルの高い所を探して取り付ける事のほか、スペクトラム・CN比またはMER・BER・遅延プロファイルを確認しながら建設することが受信改善のポイントです。
- デジタル障害が無い状態は上記の方法になりますが、マルチパス障害や、D-D混信がある場合は異なった対応となります。
- このような難しい問題の解決に、弊社は専門的に対応しています。
(ETH測定器による解析対応)
- リモコンで操作しても反応しない。デジタルテレビはコンピュータの仲間です、何かの不具合でフリーズします。パソコンと同じで強制リセットを実施します。
- テレビ本体の電源スイッチのON/OFFではなく、テレビから壁面コンセントに差してあるAC 100Vプラグを数秒間抜き、再度プラグを差し込みます。大半はこれで解決しますが、直らない場合はテレビ本体かその他故障の場合もあります。
- 地デジ電波を通さない帯域のフィルターが付いているため、地デジ電波を通さない。
- バンドパスフィルター(BPF)がついているため、地デジ電波を通さない。
- 帯域フィルターがあり地デジ電波帯域が切れている。
- 他方向の中継局に向いているために地デジが映らない、映りにくい。
- アンテナの設置場所や高さが不適当。
- アンテナ直下についている混合器やフィルターなどの表示を確かめる。
- バンドパスフィルターの周波数を調べ、放送帯域にあった正しいものと交換する。
- アンテナを地デジ中継局に合わせ、帯域に合った新規アンテナを追加する。
- レベルが低いときは、素子数の多い高性能アンテナやローノイズアンプを追加する。
- アンテナの偏波面(水平・垂直)に合わせたアンテナ建設をする。
- 既存アンテナが向いているアナログ中継局で地デジが放送されていない。
- Dpaのサービスマップなどで新しい地デジ局を探す。
- または予め分かっているデジタルチャンネルに合わせ、レベル最大値の中継局を探す、同一レベルのチャンネルは同じ中継局から発信されているチャンネルと考えて良い。(ただし県域局によっては出力の弱い場合がある)
- 測定器は、スキャンをすると自動的に放送チャンネルが判る「チャンネル探査機能」がアナログ・デジタル共についている物もある。
アンテナによる障害
- 室外にアンテナを出す。
- 増幅器を追加する。
- 室内アンテナの高性能タイプや増幅器内蔵タイプにする。
- 20素子程度の室外アンテナにする。
地形による障害響
- 距離が300m程度であれば60GHz(ミリ波)電波で対策。(※ ご希望の方はご相談下さい。)
- アンテナテストでレベル34dB以上の場所を探す。(電波の質が良いことが条件)
- 安定した電波を受信出来る場所を探す。
- シャープ、DXアンテナの開発製品で、弊社が約1年半実証試験をしました。
地デジ、BS・CS電波の広帯域電波を一度に変換して近距離間を結ぶ装置で、地デジの受信不良改善に注目されています。
100V電源の無い場所で、太陽光発電による無停電装置を使用し、電波を送り続けることも可能ですので、山間部や樹木の多い場所での地デジ対策に応用できます。
- 埼玉県所沢市スカイマンションB棟様(14階建て168戸)にて、60GHz実証試験(地デジ、BS・110度CSの受信実験)を行い、大規模施設としては国内初の、60GHzミリ波による共同受信施設を弊社で施工しました。
機器による障害
- M型タイプの分配器や古いタイプのTV端子(35年以上)の物に一部電波を通さないものがある。
- UHF帯以外のミッドバンド帯などで地デジが伝送されている電障対策施設などでは、「全チャンネル」または「CATV」でスキャンしてください。
- 電源スイッチを切ると増幅器の動作は停止します、隙間ケーブルや忍者ケーブルのショートや断線時も映りません。
- 電源供給機のスイッチを確認、窓の開け閉め箇所を点検。
- アナログ電波では許されたが、デジタル電波ではミスマッチングやリップルが起こり、エラー障害などが発生するので正式な分配器を使いましょう。
- 特定のチャンネルが映らないときもある。マンションなどの壁面テレビ端子直列ユニット方式の場合、いもづる式に上下に繋がっているため、他のお宅のテレビ映りに影響します。
- ビデオとテレビ間で芋つなぎをすると、映るチャンネルと映らないチャンネルが発生することもある。
- 電源部の電解コンデンサーの容量抜けで、アナログ的にはフリッカー障害でチラチラします。(電解コンデンサーは周囲温度で大幅に機器本体寿命が左右され、寿命は10℃2倍則が適用されます。周囲温度上昇はCO2問題もあります。この問題の解決には風通しが良いなど、最近はスイッチングレギュレータタイプの電源装置が多くなりました)
- 10年以上経過したビル、マンションで故障が多い。
- デジタルテレビではエラーが発生したり、不安定な症状が見られる。
- マンションなど複数の増幅器を使用している中で、1台が故障するとそのブロックが映らないというトラプルや、そのうしろに接続されている世帯では全体が映らないという症状が発生します。
→コンスタレーション64QAM A階層のシンボルがハレー彗星のような尾を引いた典型的なシンボルになります。
- CN比も悪くなります。
- アナログテレビの場合50Hz地域では、水平に黒いバーが下から上方向に4~5本流れるように見えます、また60Hz地域では横一のバーがほとんど静止状態で見えます。
フリッカー障害の診断は、アナログテレビでは発見は簡単ですが、デジタルテレビでは難しいです。
気象による障害
- アナログテレビの主にVHFローチャンネルに配電線パルス(通称メダカ雑音)の障害が見られます。
- 冬期や乾燥シーズンに弱電界地域や塩害地域で見られる症状です、デジタル電波は配電線パルス障害に対してアナログよりデジタルは強いため、症状が出ることは少ない。
ただし、発生源のパルスが異常に強い時には著しい症状が現れます。(乾燥期は碍子のリークによる障害です、雨天時は表面のゴミなどが流されるため障害が軽減されます)
- 発生源よりアンテナを遠ざける。
- 配電線より電波到来方向側にアンテナを移設できないかなど。
- ウルトラHiホン(ノイズ検出器)や3144 Noise Search Tester(雑音調査探査機)による調査。
- 樹木の中を電波が通過するとき雨に濡れて電波減衰が多くなることもあるようです。
- 反射電波を受信して反射面が雨で濡れて変化し、湿度や大気など気象の関係で電波伝搬が影響を受ける事があります。
- レベルや電波の質を見る、スペアナ波形・遅延プロファイルなどで判断する。
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