自営光配線方式を採用されているマンションが増えています。
特にタワーマンションや大規模マンションなどで多く採用されております。
MDFや盤室などの集中端子盤から各住戸まで光ファイバのみで接続されており
故障リスク機器が無いため安定したインターネット通信やテレビ受信の環境を得られるメリットがあります。
メリットが多い反面、障害発生時には、一大事!
光送信機や光受信端末に異常が無い場合は技術員の顏が青ざめます。
共用部MDFや盤室などから住戸までの光ファイバ区間に障害が発生している場所を探さなくてはなりません。
そんな、障害が発生した場合は、光ファイバの障害箇所をピンポイントで見つけ出して、その場所を復旧させる
光ファイバの名医が、自営光配線方式を見守ります。
この自営の光配線方式を先見性をもち早期に取り入れたマンションは、古い物件では竣工から18年ほど経過し始めています。
光ファイバの不良発生から復旧までの対応歴の一部を紹介します。
CASE2 光成端箱内の融着接続不良
■光ファイバの接続
障害ケース2
物件概要:
48階建て 1095世帯 竣工2006年
お申し出内容:
1住戸にてテレビが突然受信出来なくなった。
室内に設置されているV-ONUの光ステータスのアラートランプが点灯している。
■復旧までの作業
1.室内V-ONUの受光が無い事を確認
2.OTDRで測定すると27.72m先で光ファイバが断線と表示
3.お申し出宅は、45階の住戸で、光カプラは1階のMDF内となるので光ファイバの距離は135m以上想定
4.お申し出宅から27.72m先の光ファイバ断線箇所の探索
5.系統図にて光ファイバ成端場所が43階のEPSに設置されていることを確認
6.住戸内から可視光を挿入し43階の光成端箱を開けて内部を確認
7.43階の光成端箱内の光ファイバ融着接続箇所で可視光漏れを確認
8.成端箱内には60心の光ファイバが融着接続されており対象住戸のテレビ用光ファイバ1本のみが断線を確認
9.断線が確認できた光ファイバをトレーから取り出しし不良光融着接続箇所を除去後、新たに光融着接続
10.室内のV-ONUの受光レベルが復旧しテレビ電波の出力も正常値となりテレビ受信画像も改善されました。
■障害発生原因
43階EPS内の光成端箱内部で光ファイバの融着接続箇所が不良となっていました。
光成端箱は、ケースに鍵が掛かっており専用鍵を使用しないと光融着箇所をに触ることが出来ませんが約18年間ケースに触れることもなく突然、光融着箇所が不良となった障害でした。
光融着の施工状況が悪かったところに長年の湿度や温度などの変化が繰り返された事によりに融着スリーブの劣化が光伝送障害を招いたと考えられます。