自営光配線方式を採用されているマンションが増えています。
特にタワーマンションや大規模マンションなどで多く採用されております。
MDFや盤室などの集中端子盤から各住戸まで光ファイバのみで接続されており
故障リスク機器が無いため安定したインターネット通信やテレビ受信の環境を得られるメリットがあります。
メリットが多い反面、障害発生時には、一大事!
光送信機や光受信端末に異常が無い場合は技術員の顏が青ざめます。
共用部MDFや盤室などから住戸までの光ファイバ区間に障害が発生している場所を探さなくてはなりません。
そんな、障害が発生した場合は、光ファイバの障害箇所をピンポイントで見つけ出して、その場所を復旧させる
光ファイバの名医が、自営光配線方式を見守ります。
この自営の光配線方式を先見性をもち早期に取り入れたマンションは、古い物件では竣工から18年ほど経過し始めています。
光ファイバの不良発生から復旧までの対応歴の一部を紹介します。
CASE3 光パッチパネル内部で光ファイバ断線
■光ファイバの接続
障害ケース3
物件概要:
15階建て 82世帯 竣工2006年
お申し出内容:
1住戸にてインターネットの光配線方式が利用できない。
何社も通信工事会社の技術者が復旧を試みたが原因が分からず改善できない。
■復旧までの作業
1.室内の光コンセントに受光が無い事を確認
2.OTDRで測定すると70m先で光ファイバが断線と表示
3.お申し出宅は、11階で、光パッチパネルは1階の管理室内のため光ファイバ距離は概ね60~100m想定
4.お申し出宅から70m先の光ファイバ断線箇所の探索
5.住戸内から可視光を挿入し管理室内の光パッチパネルの側面ケースを開けて内部を確認
6.光パッチパネル内部コネクター箇所で光ファイバが断線しており可視光漏れを確認
7.光パッチパネル内部に配線された82本の光ファイバの束から、対象住戸の断線している光ファイバ1本を抽出
8.光コネクター付パッチコードと断線した光ファイバを光融着接続
9.光パッチパネルの中継コネクターブランク箇所へ復旧させた光コネクターを接続
10.室内からの可視光がコネクターまで到達した事を確認
11.光源テストを行い、70mの区間ロスが-0.24dBmと良好に復旧した事を確認
12.後日、通信事業者の開通工事が行われ、復旧区間を利用した光配線方式によるインターネット環境が改善
■障害発生原因
光パッチパネル内部の光コネクターの根本で光ファイバが断線しておりました。
光パッチパネルは、管理室のシステムラック内に設置されておりシステムラックのケースを外さないと今回の光ファイバ断線箇所を触ることが出来ません。
約18年間光パッチパネル内部に触れることもなく突然、光コネクターの根本が断線となった障害でした。
光コネクターの施工状況が悪かったところに長年の湿度や温度などの変化が繰り返された事によりに光コネクターの根本付近で断線障害を招いたと考えられます。